横浜市長選 立民推薦の山中竹春氏が当選 小此木氏ら及ばず

過去最多の8人が立候補した横浜市長選挙は、立憲民主党が推薦した元横浜市立大学教授の山中竹春氏が初めての当選を果たしました。菅総理大臣が支援した元国家公安委員長の小此木八郎氏や4期目を目指した現職の林文子氏らは敗れました。

横浜市長選挙は、立憲民主党が推薦し、共産党と社民党が支援した元横浜市立大学教授の山中竹春氏が初めての当選を果たしました。

山中氏は、埼玉県出身の48歳。
横浜市立大学の医学部の教授として新型コロナウイルスのワクチンの有効性などに関する研究を行いました。 選挙戦では、神奈川県内に緊急事態宣言が出される中、過去最多の8人が立候補し、カジノを含むIR=統合型リゾート施設の横浜市への誘致計画や、感染の急拡大が進む新型コロナウイルス対策などを争点に論戦が交わされました。 その結果、IRの誘致計画に反対し、新型コロナのデータ分析などにあたってきた経験をアピールした山中氏が、与野党各党の支持層に加え無党派層から幅広く支持を集めました。

一方、閣僚を辞任して立候補した小此木氏も、IR誘致計画への反対を打ち出し地元選出の菅総理大臣や自民党の多くの市議会議員、それに公明党の支援を受けて組織戦を展開しましたが及びませんでした。 このため、衆議院選挙などを控え菅総理大臣の政権運営に影響を与えることも予想されます。また、自民党の一部の市議会議員の支援を受け、4期目を目指した現職の林文子氏も、IRの誘致計画の推進などを訴えましたが届きませんでした。

山中氏は、「感謝の気持ちでいっぱいだ。市民一人ひとりと向き合いながらすばらしい横浜市を作っていく。ワクチン接種の加速化、感染源のいち早い特定、そして感染した人への治療機会の確保、この3つの効果的な対策を行っていきたい。カジノを含むIRの誘致に関しては行わないという宣言を横浜市として早期に出す」と述べました。小此木八郎氏は記者団の取材に応じ、今回の市長選について、「私自身の無力さはもちろんあったが、この選挙戦の間、市民の皆さんに関心を持っていただいたことは感じた」と振り返りました。IR誘致の取りやめを主張したことについては、「市長になったらひっくり返すのではないかと疑念や不安をもたれた方が少なくないと感じた。説明してきたが、説明不足、力不足を感じた」と述べました。支援を受けた菅総理に携帯電話のメッセージで「ありがとうございました」と伝えると、「ご苦労さま」と返信があったということです。また、今後の政治活動については、「もう選挙には立候補しない。開票の結果をしっかり受け止めた上で、今後は地域にどう貢献できるか考えてきたい」と述べました。

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