東京ディズニーランドで“突然”パレード中止…批判も 一方で「最大1880円引き」チケット求め争奪戦が

東京ディズニーランドのパレードが12日、全て中止となりました。原因は、工事でできた地面の傾斜だということです。突然の中止に、「開演前に告知すべき」と批判が相次ぎました。一方、周辺では「イベント割」の開始を受けた“割引チケット”を求める人たちの姿が…。    ◇ 東京ディズニーランドは、ハロウィーンイベントのまっ最中です。新型コロナウイルスの影響で、今年は3年ぶりの通常開催でしたが、12日朝、ディズニーランドの目玉である「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ」など、4つのパレード全てが中止になりました。 ディズニーランドの来園者「えっ、そうなんですか! 初めて知りました。普通に残念!」 「ショックですね。それ(パレード)を楽しみにして、今日は孫と過ごそうと思って来たんですけど」 さらに、パレードがないと知り、帰る人もいました。 ディズニーランドの来園者「もうこのまま帰ろうかなって思ってます。パレード見られないから、じゃあもういっかって」 突然の中止、そのワケは…。 園内で12日に撮影された映像には、“人だかり”ができている場所が映っていました。その場所は、道の一部が柵で囲まれ、通れないようになっていました。柵があったのは、スペース・マウンテンなどがあるトゥモローランドというエリアで、中止になった4つのパレードは、全てこの場所を通るのです。 運営会社は、「きのうの閉園後に配管工事をする中で、地面に傾斜ができてしまった」と説明。工事の際、掘削箇所にアスファルトを入れたところ盛り上がってしまったため、安全上の理由から中止を決めたといいます。 この中止に、SNSでは“穴キャン”が話題となり、トレンド入り。ディズニーランドなどで悪天候の時にパレードがキャンセルになることを“風キャン”、“雨キャン”と表現するのになぞらえて、「パレードルートが陥没して中止、“穴キャン”」といった投稿がみられました。 さらに、「返金してもらえるかなぁ」「分かってたなら開演前に告知すべき」といった声もあがり、事前告知なしの中止に批判も相次ぎました。運営会社は、「13日はパレードを再開する予定で準備しているが、中止となった場合は来園者のみにお知らせする」としています。    ◇ そのディズニーランドの周辺では12日午後2時ごろ、携帯をじっと見つめる人たちの姿がありました。皆、手にはスマートフォンが…。 ――今、何をしているんですか? 「午後2時から発売する、割引で買えるチケットがあって」 お目当ては、割引チケットでした。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは「イベント割」の開始を受け、ワクチンの3回接種している人などに対し、12日から日付指定の「1デーパスポート」を2割引きで販売していて(※なくなり次第終了)、チケットが9400円の日の場合は7520円と、最大で1880円も安く買えるのです。(大人の場合 ※チケット価格は変動制) そのため、チケットの争奪戦になっていました。人々はスマートフォンで、チケット購入サイトにアクセスしようとしていました。 割引チケットを購入したい女性「だめですね、全然。動かないです、(チケット購入)サイトが混雑してて」 女性のスマートフォンには「ただいまサイトが混雑しております」「サイトにアクセスできる推定時間 1時間以上」「待ち時間の目安 1時間以上」の文字が表示されていました。 …

物価高が直撃 苦境のフードバンク

明日食べるものにも困っているという人たちにとって、生命線とも言えるフードバンク。その活動が、いま危機に陥っています。 長引くコロナ禍や深刻な物価高の影響で、食料品の寄付が大幅に減っているのに対し、支援を求める家庭が増え続けているのです。 10月も多くの食料品が値上げされる中、必要な人たちに必要な食料を届け続けるためにはどうすればいいか、考えます。 物価高 シングルマザーの不安 山梨県東部に暮らす30代のシングルマザー、かおりさん(仮名)です。 離婚後、パート社員として地元の工場で働きながら、5歳から高校1年生の4人の子どもを育てています。 新型コロナウイルスの影響で、仕事が休みになることなども増え、ここ数か月の収入は月8万円にもなりません。 そんなかおりさんが、頼みの綱としているのがフードバンクから送られてくる、さまざまな食品です。フードバンクは企業や家庭などからの寄付で集めた食品を提供して、生活困窮家庭を支える活動です。 食べ盛りの子どもたち。一番下の5歳の女の子は届いた箱の中にお菓子を見つけると、「おせんべい。私が好きな食べたかったやつ」と話し、笑顔を見せました。 新型コロナウイルス流行の長期化に加え、食品や電気代、ガソリン代など暮らしに欠かせない、あらゆるものの価格が高騰し、かおりさんは不安を募らせています。 かおりさん「子どもが多くて、食べ盛りの子もいるのでかなり大変になってきています。本当にいつまでこんなことが続くのかなって。コロナと社会情勢を考えると、先行きがすごく暗くて本当に困ったなというのが本心です」 フードバンクへの寄付 3割減も フードバンク山梨では、かおりさんのようなシングルマザーや高齢世帯など、生活に困っている人たちから話を聞いて、よりよい支援のしかたを模索しています。 新型コロナの流行以降、支援を求める声は増え続け、去年はおよそ1万世帯に食品を提供して支援してきました。 ことし2月以降もさらにそうした声は高まり、「あす生きていくのも危うい」といった緊急支援の要請が300件以上寄せられているといいます。 しかし、ここにきてフードバンク山梨では、支援をいかに継続するのかに頭を悩ませています。肝心の食料の寄付が去年と比べ3割も減っているためです。 フードバンク山梨 米山けい子理事長「コロナ禍、さらに物価高ということで非常に苦しい生活を強いられている方が増えています。私たち自身も大量に食品が必要になっていて、支援してくださる方が増えていかないと、この活動が成り立っていかない状況です」 …

ヤクルト・村上宗隆 13試合57打席ノーアーチ 2試合連続安打で打率トップ守るも2厘差

◇プロ野球セ・リーグ ヤクルト5-1広島(30日、マツダスタジアム) ヤクルト・村上宗隆選手は広島戦で3打数1安打。2試合連続となるヒットが生まれ、打率は.317で首位打者をキープしましたが、これで13試合57打席ノーアーチとなりました。 試合前の打率が.317で2位の中日・大島洋平選手(.314)と3厘差だった村上選手。初回の第1打席でライトフライに倒れ、打率を.316に落とすも、3回の第2打席ではライト前ヒットを放ち2試合連続ヒット。打率を.317に戻します。6回の第3打席では今シーズン両リーグ断トツの118個目となるフォアボールで出塁。 迎えた7回の第4打席ではランナー2人を置いた場面で、広島・松本竜也投手が投じたフルカウントからの6球目を振り抜きますが、ここはバットを折られてセカンドフライに。直後の7回裏の守備から交代してベンチに下がった村上選手、この日は4度打席に立ち3打数1安打(1四球)。この試合でもホームランは生まれず、これで13試合57打席ノーアーチとなりました。 村上選手の打率は.317で試合前と変わらず。2位の中日・大島洋平選手はDeNA戦で2打数1安打と打率を.315に上げ、これで村上選手は打率トップをキープしたものの、その差は2厘差とわずかに縮まりました。ヤクルトの残り試合は2試合、中日は残り1試合です。

物価高騰 「学校給食」や「学食」にも影響 値上げや公費で対応

物価の高騰が続き、食料品などの相次ぐ値上げを受け、都内の大学では、生活が困窮する学生を支えようと、学食のメニューを3割引きで提供する取り組みを21日から始めました。また、小中学校の「給食」について、東京23区では、従来の給食費では維持できない状況になっているとして、値上げ分を公費で負担したり、米や牛乳などを区が購入したりする対応が、この半年で全区に広がっています。さらなる物価高騰や長期化を懸念する声も出ています。 大学の食堂 全メニューを30%引きで提供 東京 国分寺市にある東京経済大学では、この夏に学生に食生活に関するアンケートをしたところ、▽コロナ禍でアルバイト収入が減って食事がとれないとか、▽仕送りを受けられないといった、切実な声が寄せられたほか、最近では長引く価格高騰で食事を1日1食に切り詰める学生もいるということです。 こうした状況を受け大学では、後期授業が始まる21日から、大学内の食堂のすべてのメニューを30%引きで提供することになりました。 食堂のディスプレーには、もとの価格から割り引きされた価格が表示され、かき揚げそばは352円から247円に、カツカレーは440円から308円などとなっていました。 昼時になると早速、多くの学生が食事を楽しんでいました。 からあげ丼の大盛りと小鉢2つ、それに豚汁を選んだ、1人暮らしの男子学生は「これだけ豪華にして500円ちょっとだったので、ありがたいです。コロナ禍の休業で居酒屋のバイトに入れなくなったことがありました。生活費の中で一番削るのが簡単なので、食費で何とかしようと思ってしまうので、助かります」と話していました。 大学では、これまでも100円で朝食を提供したり、食事のクーポンを配ったりして対応してきたということですが、厳しさが増しているということです。 東京経済大学の橋本博一総務課長は「学生たちがコロナで経済的に困窮しているところに、物価高が追い打ちをかけている状況があります。大学として経費はかかりますが、それ以上に、経済的支援を直接、素早く実行したいと思っています。お腹いっぱい、バランスのよい食事をとってほしいです」と話していました。 “従来の給食費で維持できない” 値上げや公費対応 東京23全区で NHKが、東京23区の教育委員会に、食料品の価格の高騰に伴う公立の小中学校の給食費への影響を聞いたところ、4月の時点で値上げや公費による対応を取っていたのは4つの区でしたが、従来の給食費だけでは維持できないとして、来月から年内の開始も含めると、すべての区に対応が広がっています。 このうち、給食費を値上げした上で値上げ分の全額もしくは一部を公費で負担したり、価格高騰分を公費で補助したりする対応を、すでにとっている、もしくは今後予定しているのは、16の区となっています。 具体的には、▽千代田区や杉並区では補正予算案が議会で通れば、4月にさかのぼって給食費の値上げ分を負担するほか、▽新宿区は価格高騰分としてことし7月から、1食当たり40円から52円を補助しています。 このほか、牛乳や米、油や小麦といった項目を決めて、その費用を負担しているのは8つの区となっています。 現場の工夫としては、▽油が高騰しているため、から揚げの頻度を減らしたり、▽旬のフルーツをやめてゼリーに変えたりしているところもあるということです。 公費負担による対応は、多くの区が国の臨時交付金を活用していて、各区からは、さらなる物価高騰や長期化を懸念する声が聞かれました。 …

日本政府や日本企業に“サイバー攻撃” 「キルネット」とは

日本の政府や企業へのサイバー攻撃を主張しているハッカー集団「キルネット(KILLNET)」。9月7日には、「日本国政府全体に宣戦布告」などと述べた動画も投稿した。ロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナを支援する国に次々とサイバー攻撃を仕掛けていると見られている。NHKはこれまで「キルネット」の独自取材を続けてきた。彼らは一体何者なのか。 (サイバー取材班 福田陽平) キルネット」は、ロシア政府を支持するハッカー集団で、政治的な主張を目的として活動する「ハクティビスト」の一つだ。 2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナだけでなく、ウクライナを支援している国も標的にしてサイバー攻撃を展開しているとされる。 誰でも見ることのできるSNSにチャンネルを開設し、自身の主張を投稿している。チャンネルの登録者数は、現在、およそ9万人に上っている。 これまでの取材では、キルネットの組織は、ウクライナ侵攻以前から存在していたが、いま行っているような活動は、ことしの1月末か2月初めころから開始したと見られる。 主な攻撃は、ウェブサイトやサーバーなどに大量のデータを送りつけ、機能停止に追い込む「DDoS攻撃」だ。 ウクライナ支援国を次々と攻撃か これまでに、ウクライナへの武器輸送に関わったとされるアメリカの空港やイタリアやリトアニアの政府機関のウェブサイトなどを攻撃したとしている。 中には、ことし5月、ヨーロッパの国別対抗の歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の開催中に、ライブ配信サービスに対して攻撃を試みたとも報じられている。 アメリカの国土安全保障省は、「世界中の重要なインフラに脅威をもたらす」などとして、このグループを名指しし、危険性を指摘している。 初の日本への攻撃か キルネットは、9月6日、SNS上で、日本政府が運営する行政情報のポータルサイト「eーGov」や地方税のポータルシステムのウェブサイト「eLTAX」、それに、クレジットカード会社に対して、サイバー攻撃を行ったとする主張を投稿した。 その後、ソーシャルネットワークサービス「mixi」や、名古屋港管理組合のホームページ、さらに翌日には東京メトロや大阪メトロのサイトも標的にあげた。 いずれのサイトも、アクセスしづらくなった状態があったことが確認されているが、実際に、攻撃によるものなのかは不明で、政府などが関連を調べている。 そして、7日には「日本国政府全体に宣戦布告」などと述べた、日本語字幕付きの動画も投稿。その後も、掲示板サイトへの攻撃を主張するなど、日本に対する攻撃姿勢を崩していない。 情報セキュリティーの専門家によると、これまで確認されているかぎり、日本はキルネットの攻撃対象になったことはなく、今回が初めてだとみられる。 キルネットの動向に詳しいアメリカの情報セキュリティー会社「Treadstone 71」は「日本のロシアに対する制裁、国連のウクライナ侵攻への非難決議、北方領土をめぐる争いとビザ無し交流の停止、日本のロシアと中国の軍事行動に対する対抗姿勢、これらが『代理人』=キルネットに日本を攻撃させるというクレムリンの指示につながった可能性が高い」と分析している。 …