CSに向け最終調整、新庄監督は非情采配も示唆

クライマックスシリーズ(CS)開幕を12日に控え、北海道日本ハムファイターズは本拠地エスコンフィールドHOKKAIDOで紅白戦を行うなど、最終調整を進めている。新庄剛志監督は、短期決戦を勝ち抜くために選手たちに高いレベルを求め、CS本番では一切の妥協を許さない厳しい姿勢を見せている。

異例の有料紅白戦に1万4000人超のファン

7日、チームはCSに向けた実戦形式の練習として紅白戦を実施した。有料試合であったにもかかわらず、球場には1万4412人ものファンが詰めかけ、選手たちに熱い声援を送った。場内アナウンスやイニング間の名物「きつねダンス」、YMCAなど、公式戦さながらの演出の中で行われ、チームは本番に近い緊張感の中でプレーした。

新庄監督は試合開始直後に自身のSNSを更新し、「今日の紅白戦はCSのスタメンを争う大事な試合でもあるけど、これだけ多くのファンに見守られながら野球ができる選手たちは本当に幸せ者!」と、集まったファンへの感謝の気持ちを綴った。

万波が実戦復帰、CSへ向けたスタメン争い

この日の紅白戦では、紅組の先発に新人の柴田、白組の先発に達が起用された。また、背中の張りで戦列を離れていた万波中正外野手も「3番・中堅」で白組のスターティングメンバーに名を連ね、実戦復帰を果たした。選手たちはCSのスタメンの座を懸け、熾烈なアピールを繰り広げた。

紅白戦スターティングメンバー

▽紅組 (右)矢澤 (中)礒端 (指)レイエス (一)清宮 (捕)田宮 (二)水野 (左)松本剛 (三)奈良間 (遊)細川 投手:柴田

▽白組 (右)水谷 (指)淺間 (中)万波 (三)郡司 (左)野村 (二)石井 (一)マルティネス (捕)進藤 (遊)上川畑 投手:達

指揮官が田宮に見せた厳しい姿勢

ファンに感謝を示す一方で、新庄監督は勝利のために一切の情を挟まない構えだ。その姿勢は、5日の楽天戦(楽天モバイルパーク)での采配からも見て取れる。この試合で「2番・捕手」として先発出場した田宮裕涼は、5回1死三塁の好機で打席に立った。エンドラン、スクイズ、そしてスリーバントスクイズを試みたが、いずれもファウルとなり、好機を活かすことができなかった。

試合後、新庄監督は田宮について「もともと小技が得意な選手ではない。これも経験」と述べつつも、短期決戦に向けては「ああいう失敗をしたら、次はもう代打で(小技が)できる選手を使います。後悔はしたくないので」と断言。若手を積極的に起用し成長を促してきた指揮官だが、CSを勝ち抜くためには「鬼になる」覚悟を示した。