欧州が再び「感染の震源地」に ワクチン接種の停滞が要因=WHO

欧州各地で新型コロナウイルスの感染者数が急増する中、世界保健機関(WHO)は4日、欧州が再びパンデミックの「震源地」になっていると警告した。

WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は記者会見で、2022年2月までに欧州でさらに50万人以上が死亡する恐れがあると指摘。その要因として、新型ウイルスワクチンの接種が不十分であることを挙げた。

「我々はCOVID-19(新型ウイルス感染症)の急増に対応するというやり方から、そもそもそれが起きないようにする方法へと、戦術を変えなければならない」

ここ数カ月間、欧州大陸でのワクチン接種率は低下傾向にある。スペインでは約80%の人が2回の接種を完了しているが、フランスとドイツではそれぞれ68%、66%にとどまっている。中欧や東欧の一部の国の接種率はさらに低い。ロシアで10月までに接種を完了した人の割合はわずか32%だ。

クルーゲ氏はまた、WHOの欧州地域事務局が管轄する、中央アジアの一部を含む欧州地域53カ国で感染が増加していることについて、公衆衛生対策の緩和が要因だと非難した。WHOはこれまでに同地域で約140万人の死亡を確認している。

WHOのCOVID-19の技術責任者マリア・ファン・ケルクホーフェ氏は、「ワクチンやツールの供給は十分」なのに、過去4週間で欧州全体の感染者数が55%以上も増加したと指摘。WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン博士は、欧州が直面している現状について、「世界に対する警告射撃」だと述べた。

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