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タイムを縮めるにはどうしたらいい?ランニングトレーナーに聞いてみた

2017年06月01日
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最初は健康やダイエットのために始めたランニングも、段々と慣れてくると「もう少しいいタイムで走りたい」「大会に出て1つでも順位を上げたい」などと、記録に対する向上心が出てくるもの。

そこで今回は、正しいフォームを指導してくれるランニング教室を運営し、マンツーマンでの個人レッスンや子ども向けのかけっこ教室なども開催している「jogsuke」の山口浩輔トレーナーにお話をうかがってきました。

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お話を聞いた山口浩輔さん

山口さんは日本ライフタイムスポーツ協会公認のジョギングインストラクターや、日本体育協会公認のスポーツリーダーといった資格を持ち、神奈川県横浜市を拠点に多くのランナーの指導に携わっている方。「タイムを縮めるためのトレーニング方法は?」「記録が伸びなくなったらどうしたらいい?」などいったランニングとタイムに関する素朴な疑問を聞いてきました。


    目次
    1. 最初は走った時間を目安にランニングを習慣化
    2. ラップタイムに注目
    3. 動画で自分のフォームをチェックしてみる
    4. 筋膜リリースで筋肉をほぐす
    5. 練習のバリエーション

最初は走った時間を目安にランニングを習慣化

――本日はよろしくお願いします。まず、そもそものことで申し訳ないのですが、普段のランニングでタイムは計測したほうが良いんでしょうか?

山口さん:ランニングを始めたばかりの方なのか、何度か大会に出ていて自分の記録を縮めたいという方なのかによって異なると思います。走り始めたばかりの方はタイムを意識するというよりは何分走れたのかということを意識した方がいいでしょう。

初めてランニング教室に参加される方に「どれくらいの距離を走ったことがありますか?」とよく聞くのですが、多くの方が「週末は5キロ走っています」「1日3キロ走っています」など距離を目安にしているんですね。でも、それだと距離を走りきれなかったときにランニングを続けるモチベーションが落ちてしまうんですよ。

その点、走る時間を目安にすれば、途中苦しくなったらペースを落とせばいいわけですから、達成しやすいんです。最初は走ることを習慣化することが先決です。

――最初はどれくらいの時間を目安に走ればいいですか?

山口さん:やはり続けることが大事ですので、最初は10分くらいからでもいいでしょうね。もっといえばウォーキングとランニングを混ぜてやってもいいです。

まずは自分の体力や体の調子に合わせて、やりやすいところから始めてみてください。毎日走ろうとしなくても構いません。むしろ、1日休みを入れたほうが故障も少ないし続けられると思うので、週に3回か4回くらいを目安にしてみてください。これも目安であって自分に合ったペースというのが大事ですから、土日しか走れないという人はそれでも問題ありません。

ラップタイムに注目

――では、初心者の方が走るのにだんだん慣れてきて、大会などにも出るようになったらタイム計測も取り入れる?

山口さん:そうですね。タイムを計測するときはラップタイムも見ておいたほうがいいでしょう。

ランニングというのはペース配分が重要です。例えば10キロを走るとして、最初の1キロを5分で走れたとしても、最後の1キロが10分かかってしまっていたらペース配分が間違っていたということになります。なぜなら、早く走ったり遅く走ったりすると心肺機能に負担がかかって体力を消耗してしまうからです。ですから、心拍数の上げ下げを極力しないよう、ペースは常に一定に保つことがタイムを縮めるコツ。そのためのラップタイム計測というわけです。

――距離が5キロでも42キロでも同じペースで走ったほうがいい?

山口さん:基本的にはそうですね。マラソンランナーが途中でペースアップしたりラストスパートをかけたりするのは、あれが競技だからです。競う相手との駆け引きのために速度を上げ下げしているだけであって、記録を伸ばしたいのであれば基本的には一定のペースを守ったほうがいいでしょう。

とはいっても、理想と現実は違っていてペースが乱れてしまうものなんですけどね。それを修正していくのもランニングの面白さの一つなんですよ。

――まずは、走ることに慣れると。

山口さん:そうですね。段階的に上げていったほうがいいでしょう。これからランニングを始めるという人は、まず自分が何分走れるのか見極める。段々慣れてきたら自分の平均ペースもつかめてくるので、次は距離を決めて5キロなどのタイムを測ってみる。そこからちょっとずつ距離を伸ばしていくという感じですね。

動画で自分のフォームをチェックしてみる

――例えば、10キロの大会でなかなか記録が伸びないという人はどんなトレーニングをしたほうがいいですか?

山口さん:初めのうちは、ただ闇雲に走っていても体力がつくのと並行してタイムも縮まりやすいんですが、ある程度経つとタイムは中々伸びにくくなってきます。タイムを縮めたいと思っても、それまでと同じようなランニングをしていては同じ結果になってしまうので、体の使い方を変えてみるのが良いでしょう。まず基本的なのはフォームを見直してみることですね。

――フォームですか。

山口さん:はい。ただし、このフォームを直すというのが「言うは易く行うは難し」で、一朝一夕には直らないものなんですよ。手取り足取り教えて少しずつ改善していくもの。言葉で伝えてもその人の解釈の違いやもともとのフォームの違いがありますから、個々人で指導の仕方も変わってきます。

例えば「前傾姿勢にしましょう」といっても、どれだけ前傾にするものなのか人によって受け取り方が異なります。もともと前傾姿勢だった人が、さらに前傾になってしまう恐れもあります。ですから、ランニングトレーナーなどに一度、直接フォームを見てもらうというのも一つの手です。そこで自分でも意識していなかったクセなど新たな気付きがあるでしょうから。

トレーナーに教わる前に、一度自分でランニングフォームをチェックしてみたいという人は、自分の走る姿を動画で撮影してみるのも良いでしょう。基本的には上下動が少なく、左右のブレが極力小さいほうがいいフォームとされているので、正面と横から動画を録ってみてください。客観的に自分のフォームを見ることで、「こんなに上下していたのか」「こんなに左右にブレていたのか」といった発見があるかもしれません。

筋膜リリースで筋肉をほぐす

――他に、タイムを伸ばすための方法って何かありますか?

山口さん:筋肉をほぐして動かしやすい状態を作ってあげるというのも1つの方法です。

筋肉が硬い状態でストレッチをしても、硬いゴムがあまり伸びないように限界があるんですね。筋肉を柔らかく伸びやすくして、ケガを未然に防いだり関節を動かしやすくするというものです。いわゆる「筋膜リリース」というもので、テレビや雑誌などで見たことがある人も多いかもしれません。

――筋膜リリースですか?

山口さん:はい。ストレッチポールやテニスボールなどを使ってやるもので、太ももやおしりまわりり、あるいは背中などの走るときによく使う筋肉に対して行います。

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おしりの梨状筋をほぐす筋膜リリース

山口さん:例えばおしりにある梨状筋をほぐす筋膜リリース。梨状筋は着地をするときに衝撃を吸収する部分で、ここが硬いとヒザで衝撃を吸収し、故障の原因になります。ですから、ここをテニスボールを使って柔らかくしてあげます。

梨状筋は大体ズボンのおしりのポケット部分にある筋肉なので、そのあたりでテニスボールを踏んで、グリグリとおしりを回します。やってみると分かるんですが、これが結構痛い。でも、それは筋肉が硬い証拠なのでほぐしていきましょう。

グリグリと刺激したら、今度はそのままの体勢で股関節の運動をします。片方の足ずつ股関節部分をグルグルと回したり、ヒザを外側に倒したり戻したりします。1つの運動を4~5回くらい、全体で1~2分くらいやるといいでしょう。

走る前や走った後にやるのも大事なんですが、日頃から体の状態を良くしていくということでいえば、できれば毎日やったほうがいいでしょう。理想を言えば朝晩の2回です。

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腸腰筋の筋膜リリースでボールを挟む位置

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腸腰筋の筋膜リリースは腹ばいになって行う

山口さん:筋膜リリースは色々なやり方があります。腰の背骨から太ももの付け根あたりにかけてついている腸腰筋(ちょうようきん)は、腹ばいになって横腹か太ももの付け根あたりにテニスボールをはさみ、先ほどと同じ要領で刺激してください。

練習のバリエーション

――普段のランニングで取り入れたほうがいい練習はありますか?

山口さん:練習のバリエーションを増やしてみるというのも一つの方法ですね。

いつも30分走っていてなかなかタイムが伸びないという方であれば、使う筋肉を変えつつ心肺機能も高めるために、1キロを3回走る「インターバル走」を取り入れてみるとか、100メートルを3本走ってみるとか。早く走るトレーニングとゆっくり走るトレーニングでは鍛えられる筋肉が違います。平たく言えば、早いトレーニングで鍛えられるのが瞬発的な運動時に使われる、いわゆる白色の筋肉。これを鍛えることでスピードを維持して走れるようにし、比較的強度の高い練習をすることで心肺機能を鍛えるわけです。

ただ、念を押すようですが、走り慣れていない方はまずは走ることに慣れてもらいたいです。いきなり早く走っても、運動会のお父さん状態で体と気持ちがついていかないですからね。順序としては、まずは時間で区切って走ることに慣れる。そこからフォームを見直して、正しいフォームが分かったら練習のバリエーションを増やしてみるという感じです。

――練習のバリエーションは他にもありますか?

山口さん:「LSDトレーニング」というのもあります。「ロングスローディスタンス」の略で、字のごとくゆっくり長く走ることでスタミナをつける練習です。

インターバル走にしろLSDトレーニングにしろ、大切なのはランニングの引き出しを持っておくということですね。ある程度走ることに慣れてきてからのタイムの伸び悩みというのは誰もが経験するものでしょう。それを打開するために試行錯誤する。そのための引き出しは色々あったほうがいいです。練習にメリハリがつくことでモチベーション維持にも役立ちますから。

――自分に合ったトレーニングを模索するのも大切というわけですね。ありがとうございました!

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今回はランニングとタイムの関係について山口浩輔トレーナーに色々とうかがいました。「タイムを伸ばしたい!」という人はぜひ参考にしてみてください。山口さんが主催している「jogsuke」のHPはこちら

次回は「マラソンに適している食事は?」「大会前はどんなものを食べたほうがいい?」といった「マラソンと食事」がテーマです。

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